行事のご案内
写経とは、「お経を写す」と書きます。
写経は、本来、教典を原本のとおりに書き写して、宝塔に安置し、尊崇、供養するために行われました。
印刷術の発達していない時代には、教典の流布は人の手による写経しかありませんでしたが、印刷術が発達するにともない、写経は、仏道修行のため、供養、祈願、功徳のため等、いろいろな目的で行われてきています。
文字を見るだけで功徳があるお経を、声に出してあげるとさらに功徳は大きい。それを一文字、一文字と書写する功徳はさらに尊い、と説かれています。
仏さま、歴代のお祖師さまがたの説かれたお経を一文字、一文字心をこめて正確に書き写してゆくことは、とりもなおさず仏さまの心を、私どもの心に移してゆく仏道修行にほかならないのではないでしょうか。
写経の準備
[写経に必要なもの]
すずり、墨、筆、文鎮、下敷き、手本、写経用紙等ですが、手本・写経用紙は市販のものもあります。
写経は、先にもいいましたように仏道修行として尊いものですから、環境をととのえ、手を洗い口をすすぎ、心身を清浄にして行います。香をたき、正座して姿勢を正し、呼吸をととのえます。できれば般若心経、またこれから書写するお経を唱え、合掌、祈念をします。
写経の手順
静かに墨をすり、経題から書き写してゆきます。
写経用紙は天(上)を狭く、地(下)を広くします。うつし書きの場合には、下敷手本と写経用紙をきちんと重ねて、動かないように文鎮で押さえます。
最初の行には何も書かないで空行とし、二行目に経題を「魔訶般若波羅密多心経」等と書きますが、長い経題のばあいにも二行にわたらないように、一行におさめます。
三行目から本文を書いてゆきます。普通は一行十七字詰めに書きますが、四字偈とか五字偈とかのお経は例外とします。書体は楷書が基本です。一字一仏のつもりで、心をこめて書き写してゆきます。
浄書中は慎重な心構えで、字を間違えないように注意し、丁寧に書写します。
もし字を間違えたときは、誤字の右横に点(ゝ)を打ち、同じ行の上下いずれかの余白に、正しい字を書きます。
脱字の時は、その箇所文字と文字の間の右に点を付し、行の末尾にその文字を書きます。
本文を書き終えたら、一行あけて奥題を書きます。
(紙の都合では一行空けなくても良い。また、奥題は省略する場合もあります。)
奥題の次の行は空行とし、願文、奥書を書きます。
供養の場合は、「為○○家先祖代々霊位菩提供養」等とか、
「為戒名霊位供養」等。
祈願の場合には、
「奉為 世界平和 国家安穏 一切衆生招福消災」、
「為 家運隆盛、病気平癒、身心健全、家内安全、学業成就等」と書きます。
写経奉納箱
そして次の行に書写年月日を書き、名前、敬写等と記します。
すべて書き終わりましたら、誤字脱字がないか点検し、ていねいに合掌礼拝し、できれば普回向文を読みます。
心をこめて書写した写経は尊いものとして、仏像などと同様に特別な扱いをするように気をつけたいものです。
法光寺写経会のご案内
毎月15日(12回/年)午前6:00〜9:00の間でご都合の良い時間にお出かけ下さい。
写経参加料:1回500円(写経用紙、写経用具含む)
法光寺では、以下の経文を選んで写経を行っていただけます。
願わくばこの功徳を以って 普く一切におよぼし 我等と衆生と皆共に佛道を 成ぜんことを。
○仏説無量寿経「四誓偈」
○一枚起請文
○発願文
○摩訶般若波羅蜜多心経
○和文摩訶般若波羅蜜多心経
○仏画入般若心経
○延命十句観音経
○法然上人のお歌
○写仏下絵図